Last Updated on 2025年10月8日 by 薫(かおる)
「午後は元気に動きたい。でも夜はちゃんと眠りたい。」——その両方をかなえるコツがカフェイン“90分ルール”です。朝は起床から90分待って飲み始め、夜は就寝6時間前でやめる。たったこれだけで、昼はすっきり、夜はすっと入眠しやすくなります。ここでは、だれでもできる時間の決め方・量の目安・デカフェへの切り替え・昼寝との合わせ方を、わかりやすく解説します。
昼の眠気対策を先に整えたい方 → 20分パワーナップの作法 / 夜の光対策はこちら → 就寝前の“光リセット”
目次
1. 結論(まずここだけ)
- 飲み始めは朝90分後:起きてすぐは体の覚醒ホルモン(コルチゾール)が高い時間。90分待ってからの1杯は効きが長持ちしやすいです。
- やめ時は就寝6時間前:これより遅いと寝つきや深い眠りに影響しやすくなります。早寝の日はさらに早めに終了を。
- 量の目安:1回〜100mg前後(コーヒー1杯ほど)。1日200〜300mgを上限の目安にし、夕方以降はデカフェ/ノンカフェへ切り替えます。
- 午後のコツ:飲むなら13〜15時に1回だけ。パワーナップ(昼寝)15〜20分前に飲むカフェインナップは相性◎。
- カフェインに敏感な人:半量から試す/紅茶・緑茶に置き換える/お茶に含まれるテアニンとの組み合わせでそわそわ感が出にくい人もいます。(ほうじ茶やウーロン茶でも代用可)
朝は90分待つ/夜は6時間前にやめる/量は少なめ固定。
2. カフェインの基礎と実践(しくみ・メリット・使い方・相性)
2-1) 成分の概要(カフェインの働き)
- どう効く? 脳で眠気のサインを出すアデノシンの働きを弱め、眠気を感じにくくします。その間は注意力や反応の速さが上がり、作業がはかどることがあります。
- 体内での動き(目安):
- 効き始め:摂取後20〜30分で感じやすい。
- 半減期:一般に3〜7時間(個人差あり/薬や妊娠で変化)。夜に残さないため終了は早めが安全です。
- 含有量の例(目安):ドリップコーヒー80〜120mg/杯、紅茶40〜60mg/杯、緑茶20〜40mg/杯、エナジードリンク50〜100mg/本、ダークチョコ20〜40mg/枚。
2-2) 期待できるポイント(どんな変化がある?)
- 集中力の一時的な向上:単純作業や長い会議での持久力を助けます。
- 気分のリフレッシュ:軽い眠気やだるさをリセット。
- 昼寝との相乗効果:カフェインナップですっきり起床しやすく、午後のだるさの戻りを減らします。
効果は量よりタイミングで決まります。
2-3) カフェインに敏感な人へ(胃・動悸・不安が出やすい)
- 飲み方:空腹は避ける/食後やミルク割にする/紅茶・緑茶・半カフェに切り替え。
- 量の決め方:まずは半量(50mg前後)で様子見。上限200mg/日を目安に午前中心で運用。
- 時間の工夫:午前は少量、午後はデカフェへ。がぶ飲みはNG。
- 体調サイン:不安・動悸・胃の不快感・不眠が出たら中止して休み、必要に応じて医療機関へ。
2-4) 使い方の目安(1日の時間割・始め方)
基本の時間割(例)
- 起床 → 水/朝食 → +90分で1杯(〜100mg)。
- 昼〜午後 → 13:00〜15:00に必要なときだけ1杯。
- 就寝 → 6時間前で終了(例:23:00就寝なら17:00以降はデカフェ)。
カフェインナップ(保存版)
- 昼寝の5分前にコーヒー/お茶を飲む。
- 15〜20分のパワーナップ。
- 起きたら明るい光を浴び、伸びをして完全に目を覚ます。
2-5) 併用の相性(合うもの・注意するもの)
- 相性がよい:
- パワーナップ(目覚めすっきり)
- 朝の自然光・朝散歩(体内時計リセット)
- 水分補給(口の渇き・頭痛の予防)
- L-テアニン※(お茶の成分。落ち着きを感じる人も)
- 注意:アルコールと一緒に飲むこと、夕方以降の多飲は睡眠の質低下につながります。
3. 注意点・Q&A・参考
注意点(必ずお読みください)
- 個人差が大きい:体質・体格・薬・妊娠などで感じ方や残り方は変わります。最少量から試してください。
- 不調サイン:動悸・震え・不安・胃の不快感・不眠が出たら中止し、水分補給と休息を。
- 医療との関係:一部の薬や持病で相互作用があります。治療中/妊娠・授乳中は主治医に相談を。
- 睡眠の基本:夜の光・温度・生活リズムが乱れていると、カフェイン調整だけでは不十分です。日常の睡眠まとめもあわせてどうぞ。
よくある質問(Q&A)
Q1. 「90分」は絶対ですか?
A. 目安です。 朝の自然な覚醒を生かす狙いなので、60〜120分の範囲で自分の体感に合わせてOKです。
Q2. デカフェは寝る前でも大丈夫?
A. 多くの人はOKです。ただしデカフェにも少量のカフェインが残ることがあります。気になる人はハーブティーやノンカフェインに。
Q3. エナジードリンクはどう使えばいい?
A. 就寝6時間前以降は避けるのが無難です。糖分・添加物・量にも注意し、非常時だけにしましょう。
参考文献/免責
参考文献
- American Academy of Sleep Medicine(AASM):Healthy Sleep Habits / Sleep and Caffeine
https://sleepeducation.org/ - National Sleep Foundation:Caffeine and Sleep / How Much Caffeine
https://www.thensf.org/ - European Food Safety Authority(EFSA):Scientific opinion on the safety of caffeine(1回量・1日量の評価)
https://www.efsa.europa.eu/ - MedlinePlus(NIH):Caffeine
https://medlineplus.gov/caffeine.html
※外部リンクの内容や最新性は各サイトでご確認ください。
免責事項:本記事は一般的な情報をやさしくまとめたものです。医療や栄養指導の代わりではありません。体調や持病、妊娠・授乳中、服薬中の方は主治医にご相談ください。実践はご自身の判断と責任で行ってください。
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