Last Updated on 2025年10月7日 by 薫(かおる)
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長時間フライトのあとに起こる昼の強い眠気や夜の目覚めは、いわゆる時差ボケ(ジェットラグ)です。原因は体内時計(概日リズム)が現地時間とズレること。対策の核はシンプルで、出発前48時間から光・睡眠・食事・カフェインのタイミングを少しずつ現地に寄せることです。さらに機内と到着後の動き方を決めておくと、回復がぐっと早くなります。
こちらもおススメ:就寝前の“光リセット”ガイド / 朝の光&朝散歩ルーティン(夜の光を弱く→朝の光を強く、が同調の基本セット)
旅先でぐっすり眠る|睡眠ツーリズム・ハブ
ホテル選び・温泉の入り方・時差ボケ対策まで、旅先で眠るコツを1ページにまとめました。
目次
1. 結論(まずこれだけやる)
- 出発前48時間:現地時間に寄せたい方向へ、就寝・起床を30〜60分/日ずつ動かします。
┗ 早めたい(早寝・早起き) → 朝の強い光を浴び、夜は光を弱める。
┗ 遅らせたい(遅寝・遅起き) → 夜の明るい光を浴び、朝は光を弱める。 - カフェイン:目標の現地・昼〜午後に合わせます。早寝したい日は午後は控える。起床直後のコーヒーは90分後が目安です。
- 機内:到着地の時刻で寝る/起きる。アイマスク+耳栓で遮音遮光。水分はこまめに、食事は軽めに。
- 到着直後:朝の自然光を5〜15分浴びてゆっくり散歩。昼寝は20分以内に留め、就寝は現地の通常時刻まで我慢します。
「光で合わせる/行動は現地時間」。
2. 実践ガイド(しくみ→手順→続け方)
2-1) しくみ(体内時計と光の役割)
- 人の体内時計は24時間より少し長めです。毎朝の明るい光が1日のスタートとして働き、時計をそろえます。
- 早めたいときは朝の光を増やす、遅らせたいときは夜の光を増やすのが基本。逆側の時間は光を避ける(サングラス・照明を落とす)と効果が出やすいです。
- 運動・食事・カフェインは補助的な同調因子。光と同じ方向にタイミングをそろえると、効果が積み上がります。
迷ったら:朝型に寄せる→朝の光/夜型に寄せる→夜の光。
2-2) タイムライン(出発前→機内→到着後)
出発前48〜24時間
- 就寝・起床を30〜60分(早める/遅らせる)動かします。
- 光:早めたい日は朝の自然光5〜15分。遅らせたい日は夕〜夜に明るい光。逆の時間はサングラス・暗めの照明で抑制(→ 光リセット)。
- カフェイン:調整した起床後90分を基準に。寝たい8時間前以降は控えます。
出発前24時間
- 食事の時間を1食だけでも現地に寄せる(到着後の空腹タイミングが合わせやすくなります)。
- 持ち物:アイマスク・耳栓・頸枕・保湿ミスト/リップ、軽食(ナッツ等)、空ボトル。
機内
- 目的地時刻で寝る/起きる。寝たい時刻はアイマスク+耳栓、起きたい時刻は可能なら窓を開けて光を入れます。
- 食事:重すぎないメニューを少量。アルコールは控えめ(浅い睡眠の原因)。
- 水分と保湿:こまめに飲む。乾燥が強いので顔・唇を保湿します。
到着Day1
- 朝〜午前:自然光5〜15分+ゆるい散歩(→ 朝散歩ルーティン)。
- 昼寝:どうしても眠い時は20分以内。夕方以降は避ける。
- 運動:軽い散歩・ストレッチで体温を少し上げ、夜の入眠を助けます。
- 夜:電球色(オレンジ)で暗めに。画面は夜間モード+明るさ50%以下(→ 光リセット)。
到着Day2〜3
- 同じ行動を繰り返す。朝の光+朝食、日中は外で活動、夜は静かに暗く。この反復で内部時計が安定します。
2-3) 機内とホテルのコツ(小ワザ集)
- 座席:できれば窓側(光のコントロールがしやすい)。
- 温度:首・足首を冷やさない。ブランケット+アイマスク+耳栓をセットで。
- 音:ホワイトノイズや雨音で環境音を上書き。
- 光:起きたい時刻に窓シェードを開ける、寝たい時刻は暗く。
- ホテル:遮光カーテンのすき間はタオルでふさぐ。夜間は足元ライトで安全に。
2-4) 敏感な人向けの配慮(光・乾燥・メンタル)
- 光が苦手:薄色サングラス/帽子で調整。朝の光は短め→徐々に延長します。
- 乾燥しやすい肌:機内はとても乾燥。保湿ミスト→セラミド系クリーム少量でこすらないケアを。
- 不安・緊張:4-2-6呼吸を2分、白湯を少量。遅い時間のカフェインは避けると楽です。
2-5) まとめ(チェックリスト)
- 出発48時間前から就寝/起床を30〜60分ずつ調整した?
- 光は早める/遅らせる方向に合わせて当てた?
- 機内で目的地時間に合わせて寝る/起きるを実行した?
- 到着後は朝の光+散歩、昼寝20分以内を守れた?
- カフェインと食事の時間を現地時間に近づけた?
3. 注意点・Q&A・参考
注意点(必ずお読みください)
- 持病・服薬中の方は、医師の指示を優先。メラトニンなどのサプリは相互作用や強い眠気に注意が必要です。
- 安全:睡眠不足での運転や高所作業は避けましょう。明るい場所でのサングラス常用は転倒に注意。
- 衛生と体調:機内・旅先では手洗い/消毒と水分補給を。到着初日は無理な運動・長風呂・飲酒を控えます。
- 目と皮膚:強い乾燥・刺激を感じたら保湿→休息を優先。コンタクトは短時間に。
よくある質問(Q&A)
Q1. 東と西、どちらがつらいですか?
A. 多くの人は**時計を進める(早寝・早起き)**ほうが難しいと感じます。朝の光を増やし/夜の光を減らすに集中しましょう。
Q2. 昼寝はしたほうが良いですか?
A. 最初の3日間は20分以内に。夕方以降の昼寝は避け、現地の就寝時刻まで起きているほうが回復が早いです。
Q3. メラトニンは使ったほうが良いですか?
A. 使うなら時間と量が大切です。国や個人差、薬との相互作用があるため、医療者に相談のうえ短期・低用量で。まずは光と行動による調整を基本にしてください。
参考文献/免責
参考文献
- American Academy of Sleep Medicine(AASM):Jet Lag & Circadian Rhythms
https://sleepeducation.org/ - National Sleep Foundation:Jet Lag(時差ボケの基礎と対策)
https://www.thensf.org/ - CDC:Travelers’ Health / Jet Lag
https://wwwnc.cdc.gov/travel - NIH MedlinePlus:Jet Lag
https://medlineplus.gov/jetlag.html - Cochrane Library:Melatonin for the prevention and treatment of jet lag
https://www.cochranelibrary.com/
※各リンクの内容・最新性は公式サイトでご確認ください。
免責事項:本記事は一般的な情報をわかりやすく整理したものです。診断や治療の代わりではありません。持病・妊娠授乳・小児・高齢者・服薬中の方は、自己判断せず医師・薬剤師にご相談ください。外部リンクの内容は各サイトの更新に準じます。